書評・山口昌男『「挫折」の昭和史』(岩波書店)

不良の書いた歴史書である。 イデオロギーに縛られたまま身動きとれなくなり、どんどん世間離れしていったそこらの歴史学者たちとは根っから育ちが違う雑食性の知性。「近代日本の歴史人類学」という“いかにも岩波”なオビの惹句も、その知的不良の身のこなしで、ひからびた歴史に活を入れるための旗印と読むべきだ。 本文…