アセモグル&ロビンソン『自由の命運――国家、社会、そして狭い回廊』

前作『国家はなぜ衰退するのか』に続いて、たいへんな力作。前作では国家のもつ制度を包括的/収奪的という区分けで整理し、国家の繁栄とのかかわりを論じた。本書はその枠組みを発展させながら、人々の自由というテーマを扱っている。 本書の主張をシンプルに要約するなら、次のようになる。自由の実現には国家が必要で、…