連想読書日記
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「時間への敬意」を描くということ――呉明益『自転車泥棒』を読んで
呉明益『自転車泥棒』(文春文庫、訳/天野健太郎) 小説家で自転車マニアの「ぼく」が1台の自転車と再会する。それは父が乗っていたもので、20年前に父と一緒に行方がわからなくなっていた。自転車のたどった軌跡を追いかけながら、持ち主たちやその家族の物語を記録していく。 あとがきで著者は次のように書いている。…