685日目 だからネイルを塗ってみた

その日、俺はヤツと飲んでいた。 曇り空のトーンが徐々に落ちていって、夜を迎える街。 通りの向こうから颯爽と現れたヤツは、あの頃と変わらない、野心に満ちた瞳をギラギラさせていた。 俺たちは合うや否や、互いに確認するでもなく、すぐそこの角の中華屋の暖簾をくぐった。 「ハイボール行きますわ。何飲みます?」 「…