大作曲家アントン・ブルックナーは「計数マニア」だったか - 松本清張『数の風景』より

食わず嫌いを貫いてきた松本清張に突然はまったのは、2013年の晩秋に『Dの複合』を読んだ時だった。これが初めて読んだ清張作品だったが、頁をめくる指が止まらなかった。以後病みつきになり、昨年末までで110タイトルを読んだ。上下本や、文春文庫新装版で全9巻の『昭和史発掘』をそれぞれ1タイトルとする数え方なので、…