信頼できない語り手といえばカズオ・イシグロ、カズオ・イシグロといえば信頼できない語り手(三宅香帆氏)/リストのピアノ協奏曲第1番を久々に聴き込む

昨年(2024年)にもっとも売れた新書本の1つだったという『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)を書いた三宅香帆という人が、売れっ子の若手文芸評論家だということさえ私は知らなかった。 その三宅氏は1994年1月に徳島県美馬市に生まれた高知県育ちの人で、京大文学部に進んで大学院の博士前期課程を修…