格差拡大を問題と受け止めた1958年の「経済白書」から約40年後、竹中平蔵が議論を主導した「経済政略会議」は格差拡大を正当化する答申を発表した 〜 橋本健二『〈格差〉と〈階級〉の戦後史』より

橋本健二著『〈格差〉と〈階級〉の戦後史』(河出新書,2020)を読み終えた。少し前のピケティを思い出させる本だが、本書が河出ブックスから最初に出たのは2009年で、ピケティよりも早い。経歴も、主流派経済学から始めたピケティとは対照的に、マルクス主義の立場から研究に入った人ではないかと推測されるが、本書では随…