【通りすがりの怪談】怪其之四十三 ~救急車~

怪談 ~救急車〜 救急車の揺れと共に、男は意識を取り戻した。頭は鉛のように重く、全身は痺れたように動かない。耳に入ってくるのは、救急隊員の逼迫した声とけたたましいサイレンの音。「鹿島さん!鹿島さん!」救急隊員が必死に呼びかけている。しかし、男は返事をすることはおろか体を動かすことすらできなかった。ま…