【通りすがりの怪談】怪其之五十一 〜シミ~

怪談 ~シミ~ 大和の働く会社は、築40年を超える古い雑居ビルの中にあった。 時代に取り残されたようなその建物は、昼なお薄暗く、淀んだ空気が漂っている。 会社の中もまた、外観に違わず陰鬱な雰囲気を纏っていた。大和は、そんな会社の中でも特に嫌悪感を抱く場所があった。 それは、薄汚れた蛍光灯が寂しく光る男子ト…