【通りすがりの怪談】怪其之七十五 ~滴り~

怪談 ~滴り~ 古びた小学校の校舎の裏手、校庭の隅にひっそりと佇む手洗い場があった。今はもう使われておらず、蛇口をひねっても錆びついた音を立てるだけで、水の一滴も出ない。しかし、その手洗い場には、まことしやかな噂がつきまとっていた。夜中、その蛇口をひねると、血のような真っ赤な水が流れ出すというのだ。…