【通りすがりの怪談】怪其之七十六 ~溺~

怪談 ~溺~ 最近、友人の治樹の様子がおかしかった。彼の顔からは生気が失われ、いつも疲れた表情を浮かべている。心配した俊哉が理由を尋ねると、治樹は深い溜め息をつき、重々しい口調で語り始めた。数日前、治樹は近所の川で子供が溺れているのを目撃したという。しかし、治樹は何もできなかった。ただ呆然と立ち尽く…