【通りすがりの怪談】怪其之九十八 ~迫る女~

怪談 ~迫る女~ 深夜。国道を走る車内に、酒とタバコの匂いがこもっていた。弘明はぼんやりした頭でハンドルを握り、窓の外の街灯の列を目で追っていた。 その時だった。視界の端で何かが動いた。 目の前の横断歩道を、人影が歩いているのが見えた。車の進行方向は赤信号だ。やばい。咄嗟に弘明は急ブレーキをかける。だ…