小説: わんぐっどてぃんぐ 第一部 戦中編 第三章 異国での巡り会い-3

「帰りましょう。ここは私たちの出入りするような場所ではありません」権太は、いつになく強引に洋二郎の腕をつかむと、今来た方へ戻ろうとした。 洋二郎は動かない。 しばらく店を見ていると、娘が店先に出てきて、給仕を始めた。住民の男達の娘を見る目つきに、娘が決して本当の父親の店を手伝っているだけではないと、…