033 |『雨鱒の川』川上健一|愛でもなく恋でもない

2024.06.24 読了 もしも、恋愛小説を片手に恍惚とした表情を浮かべる中年男がいたとしたら、残念ながらそいつはもう手遅れである。手の施しようはない。そして、そんなどうしようもない男が何を隠そう、このぼくである。電車の中やカフェなんかでそんなぼくを見かけても、どうか石を投げないでもらいたい。 もちろん、ぼく…