KUROMIMIには本が足りない。
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小説・海のなか(10)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com 問いが口を離れてから、随分と長い空白が訪れたように感じた。それは問いかけ自体が無に帰っていく様な時間だった。奇妙だ。この沈黙は重くもないし、ましてや心地よくもない。だから私もなんだかまた話し始める気にもなれず、ただ、だらだらと味わっていた。夕凪の心のあり様に引…