KUROMIMIには本が足りない。
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小説・「海のなか」(29)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 夢に出てきたと思しきそこは、海の見える窓際の席だった。その夕暮れ、マキノのアイスクリーム屋を訪れたのは、夢が忘れがたかったからだった。窓辺から見える景色の真ん中には青い帯が遠く揺らめいていた。わたしの正面にはもう一人分の空席がある。あの夢では埋まってい…