KUROMIMIには本が足りない。
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小説・「海のなか」(31)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 「さて。何を話そうか…」 リビングのイスに腰を下ろすと、父は向かいにわたしを座らせた。こうして相対するのも久しぶりだった。朝早くから夜遅くまで働いていることの多い父は、家族でありながらほとんど会うことはない。それはわたしがほとんど自室に引きこもっているせ…