KUROMIMIには本が足りない。
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小説・海のなか(38)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 夕凪は零れる涙を止めることができないのか、微かに体を震わせていた。けれどそのうち諦めて、流れてゆく涙をも食うように無言で食べ始めた。俺はといえば、どうすればいいのかもわからず、気がつけばつられるように食べ終えていた。味はしなかった。というよりも、覚えて…