KUROMIMIには本が足りない。
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小説・「アキラの呪い」(20)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 退院が近づいてくると、姉は言った。 「3日後に部屋へ来るように」と。それはまるで独り言のようだった。告げる時、姉は窓の外を眺めたままで一度もこちらを振り向かなかった。頬のなだらかな曲線。俺はそのあわいが夜闇と見分けがつかなくなるくらい、何度も目でなぞった…