イスタンブールの下宿を舞台に描かれる、眩しくも、儚い青春物語―梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』感想

梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』(2004.5) 角川文庫 時は1899年。トルコの首都スタンブールに留学中の村田君は、毎日下宿の仲間と議論したり、拾った鸚鵡に翻弄されたり、神様同士の喧嘩に巻き込まれたり… それはかけがえのない時間だった。 だがある日、村田君に突然の帰還命令が。 そして緊迫する政情と続いて起きた…