コロナ禍における「正しさ」を再考する 金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』

「正しさ」という言葉を聞くとき、いつも平均台が頭に思い浮かぶ。 皆、うまくバランスをとりながら渡っているのに、自分だけは黴臭い体育マットの上に何度も落ちてしまう。渡るためには暗黙の「正しさ」に従う必要があって、自分が不適合であることは、誰にも悟られてはならない。 金原ひとみはそうした平均台をうまく渡…