静謐さと微熱感のある滑らかなノワール、表現の妙 |『掏摸』『王国』中村文則

ここ数年、純文学系の読書は子どもたちに読ませるための下読みでありました。今般、下の子も高校に上がり、もはや言うことを聞くような距離にもおらず、そうした下読みは一旦ストップ。 では何を読むかというと、Wish Listに入っていたけど長らくそのままになっていた本です。 今回の本は毎度お世話になっているブックオフ…