『外食王の飢え』城山三郎

「何度でも切ってもいい。試食をやめれば、レオーネが死ぬ。」 三回もの胃の手術を繰り返し、それでも探求のための試食をやめない主人公の倉原礼一の台詞。 なんたる生き様! でもこれとよく似た人を僕は知っている。 辻調理師専門学校の創始者である辻静雄だ。 辻静雄もまた、本物のフランス料理を求めてフランスに渡り、…