サル

体中が痛い。 長い間、眠っていたような気がする。 ゆっくりと目を開けると、若者とイヌが、心配そうに、ぼくの顔を覗いていた。 「心配したよ。目が覚めたんだね、良かった。」 若者はそう言うと、ぼくの側に、水の入った竹筒を置いてくれた。 彼らのことは知っていた。 桃のマークが付いた鉢巻をして、〔日本一〕と書い…