退官間近の研究職。研究室に山積みの「虎の子蔵書」。最適解を学生に学び、事なきを得た話。

十余年在籍した研究室を退官するにあたり、漠然と悠々自適な趣味の生活ばかりを思い描いてきたが、思いのほか生活を根本から見直さねばならなかった。それは経済的理由ではなく、研究者の端くれとして学術業界で身すぎ世すぎしてきた者と ...