余録:「危惧されたものは五月になって顕在化した… | 毎日新聞

 「危惧されたものは五月になって顕在化した。長雨がやまず、日の光を見ることが稀(まれ)な天気がつづき、悪天候は六月になるといよいよ甚(はなはだ)しくなった」。藤沢周平(ふじさわ・しゅうへい)の「漆の実のみのる国」が描く天明飢饉(ききん)の発端である▲月を1月ずらして新暦にすれば、今年の関東地方や東北