余録:江戸幕府の老中、松平定信が… | 毎日新聞

 江戸幕府の老中、松平定信(まつだいらさだのぶ)が寛政の改革の人事に用いたといわれる風聞書「よしの冊子(ぞうし)」については先日の小欄で触れた。役人たちの情報が記されたエンマ帳のような風評記録集だが、それを作った人物がいる▲定信の側近で信任の厚かった水野為長(みずのためなが)という人である。彼は御庭