だが、禅はものの固定化をなにより忌み嫌う。

全p.361 禅における言語的意味の問題 井筒俊彦 岩波文庫 一たん文節されて結晶体となった存在は、もしそのものとして固定的、静止的に見られるならば、文節される以前の本源的存在性を露呈するどころか、逆にそれを自己の結晶した形のかげに隠蔽するものである。このような場所では、人は存在を見ずに、ただ存在の夢を見る…