西欧化の終わり

91年、イズミルで知り合ったトルコ人の学生、今から思えば、彼などは“白いトルコ人”の権化のような存在だったかもしれない。普通の中流家庭に育った普通の大学生で、特に優秀というわけでもなかったと思うけれど、初期の共和国の方針に忠実な“西欧志向”が際立っていた。そればかりか、彼は真っ白い肌に青い目の“トルコ人…