身捨つるほどの祖国はありや

「マッチ擦るつかの間の海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国はありや」という寺山修司の短歌、私でも知っているくらいだから、広く人口に膾炙している詩なのだろう。音の響きも素晴らしいし、なんとなく情景が目に浮かぶようで、やはり相当な傑作に違いない。とは言うものの、「祖国はありや?」という問いに対する答えは何か…