言葉と沈黙―ル・クレジオ『悪魔祓い』

どうしてそんなことがあり得たのかよくわからないのだが、とにかくそういう具合なのだ。つまりわたしはインディオなのである。メキシコやパナマでインディオたちに出会うまで、わたしがインディオであるとは知らなかった。今では、わたしはそれを知っている。 (ル・クレジオ『悪魔祓い』冒頭、9ページより引用) 今回は、…