五感を全開にして感じたい江國香織の短編集「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」を読む

ゆっくりと静かに身体中を満たしてくれるドロップスの缶のような短編集、「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」。 江國香織さんの本を買うということは、 「本を買う」というより「空気を買う」と言ったほうが良い気がする。 文字が書いてある紙の束を買うというよりは、 文字と文字の間の余白に漂う、ゆったりと流れ…