プロローグ
7月27日、音見川の花火大会。街を見下ろす風撫で丘。1発の大きな花火が光のカーテンのように目の前いっぱいに広がっている。隣を見れば君がいる。君が口を開いた。 「好きだよ」 君の声がくぐもって聞こえた。まるで水の中にいるみたいだ。 音のない世界で花火が花開き、君の声だけが聞こえた。 私は君に告白され…