大岡昇平 『野火』 感想

野火(新潮文庫) 作者:大岡 昇平 新潮社 Amazon その時変なことが起った。剣を持った私の右の手首を、左の手が握ったのである。 大岡昇平著 『野火』 改版,新潮社,1987,p.131 法律は海の彼方だ。モラルも常識も熱帯の森の中で腐り果てている。そんなフィリッピン戦線において、人はただ一個の生命体で、生命体の絶対的…