ソーニャ 5 − ドストエフスキー『罪と罰』

「ぼくは用事を話しにきたんだ」ラスコーリニコフが、突然、顔をしかめて、大声に口をきり、立ちあがって、ソーニャに近づいた。(略) 「ぼくは今日、肉親を捨てたんだよ」と彼は言った。「母親と妹をね。もう、ふたりのところへは行かないんだ。あそこできっぱりと縁を切ってきた」 「なぜです?」ソーニャは呆気にとら…