形式にとって誤配であれ

朝、目が覚めたとき、窓の外の空はどこまでも平板で、時間だけが進んでいた。アラームは三度鳴って、止めた。もう一度鳴った。起き上がると、部屋の隅に置かれた本の山が、夜のうちに少し崩れていた。 昨夜、メモを残したはずだった。机の上には一枚の紙があった。そこにはただ一行だけ書かれている。 「価値は、であるべ…