茶番小説 頑張らなくてええねん

「がんばらなくていいよ。楽に生きよう」 これが彼の口癖だった。 インフルエンサー界の救世主を気取る無努力(むどりょく)カイセイ。フォロワー数は桁違い、弱音を吐く人々の心を癒すはずの男である。 ――ただし、舞台裏は地獄だった。 午前三時。カイセイはベッドから飛び起き、最新の活動量計をにらみながら懸垂百回。 …