形式主義・接客・人間

丁寧な接客をしてくれたお姉さんが、裏口で「マジ?」とこぼすのが聞こえた瞬間、私は透きとおったガラス越しの舞台を、ふいに袖から覗きこんでしまった観客になった。レジまでは温度管理された好意が流れ、声の抑揚は研がれ、語尾は丸められていたのに、扉一枚を隔てた冷たい通路には、素の体温が落ちていた。失望は小さ…