中世に出現した、新しい仏教のカタチ~その⑮ 臨済宗・栄西 日本オリジナル禅「達磨宗」との確執

禅宗を日本に持ち帰った栄西。しかし実のところ、他の宗派の例に違わず、禅の教え自体は、奈良時代から平安時代にかけて既に伝わっていたのである。例えば平安時代前期には、唐の禅僧・義空が皇太后・橘嘉智子に招かれて来日し、檀林寺で禅の講義が行われている。しかしながら当時の日本における禅への関心の低さに失望し…