【第10回】月夜に

その女の子は名前をのぅといいました。のぅちゃんは真夜中に自転車で町を走るのが好きでした。誰もいない静かな町はとても落ち着けて、夜風が涼しくて、月が明るくて、ずっと夜ならいいのにと思っていました。 ある夏の夜のことです。 その日は夜になっても暑いままでずっとムシムシジメジメしていたので、のぅちゃんは海…