五人とひとりと怪事件|楊 星龍

 目が覚めると、サメだった。  どうしようもないくらいにサメだった。  俺、八木なのに。    いつもと同じ、遅刻ギリギリの寝覚め。無我夢中でスエットとTシャツを脱ぎ散らして、制服に袖を通して、顔を洗って歯を磨く。口を濯いで顔を洗ってふと、視線を投げた鏡に映っていたのだ。  ああ、サメだ。  真っ…