〔書評〕何が映画なのか、何故映画なのか/『日本映画時評集成 2000-2010』(山根貞男)|furuyatoshihiro

古谷利裕  本書は「キネマ旬報」誌で一九八六年から継続されている日本映画時評の二〇〇〇年から二〇一〇年までの十一年分がまとめられたもの。十一年分を通して読む圧倒的な経験から私が感じたのは「何が映画なのか」と「何故映画なのか」ということだった。それについて最初は外的に、次に内的に考えたい。  まず外…