わたしは知りたかった/柴崎友香『ドリーマーズ』論 (1)|furuyatoshihiro
古谷利裕 0.《わたし》の位置と話者の視点との細かなずれ 連作短篇集『ドリーマーズ』所収の表題作の冒頭で、地下鉄が地上に出る場面は、一人称でほぼ現在時を語る話者によって次のように描写される。《今は真夜中で、平行して走る高速道路と車の光が、わたしの前からうしろへ、わたしよりも高いところから低い…