世界へと滲み出す脳 / デイヴィッド・リンチ論 (後半)|furuyatoshihiro
古谷利裕 (前半) 4 『インランド・エンパイア』をめぐって 裏切りの気配 リンチの作品は、自身の記憶―外傷(頭の中)に閉じているわけではない。リンチの登場人物ほど、 状況や他者のことが気になる人物はなかなかいない。あまりに気にし過ぎるために、あらゆる何とい うこともない事柄が徴候化し、身体は常に緊…