さいりうむ|蜂本みさ

 すべての花の色が夕闇に沈みはじめる頃、庭を掃いていると、子どもが手を光らせて帰ってくる。通りすぎた後ろ姿に「あんた」と声をかけると拳をぎゅっと握って立ち止まるが、親指の付け根や指の股からこぼれる青白い光は隠せない。「またやったんか。やめ、言うてるやろ」子どもは振りむき、ふてくされたように腕を組ん…