世界|ハイミドリ@蒼井 朝顔

蜘蛛の糸も垂れていないのに 群がる人 腕を取られ足を引かれ背中を踏み合う人 少しだけ遠いところから 私は見ている 群がるうちの一人が私と目が合った それはとても鈍く光る眼で 「スカして狡い」とねめつけた 群がるうちの誰かが指先を私に向ける 「あいつを幸せにしてはいけない」 折り重なる人の群れは私になだれ込み…