美しい獣|ハイミドリ@蒼井 朝顔

羽毛のような指先は 眠る女の瞼を撫で 興味と恐怖の振り子に揺られている たった一つの真実を確認するため 美しい獣は自らの制御に集中する 気配などとうに知っていた そんな無粋は閉じた瞼の裏側に 美しい獣は誰にも知られていないように 私の瞼に重なる指先を優しく滑らせた まるで壊れ物に触れるように そっと 泣…