巨大都市殺し|高島 鈴|かしわもち 柏書房のwebマガジン
1 今もはっきり思い出せるんだけど、実家近くの横浜線の線路沿い、フェンスと線路のちょうど間のあたりに、キャベツが植わっていた。たぶんキャベツ。少なくとも球形の葉物だった。鳥避けの風車も立っていて、農作業用の帽子を被った見知らぬ人物が、腰を曲げて野菜の世話をしている様子を何度も見た。だから幼少期の…