【詩】駅、影絵|加澄ひろし|走る詩人

慌ただしいプラットホームを覆う コンコースのばかでかい吹き抜けに ぽかりぽかりと浮いている いくつもの光の放射を浴びて 無数の影絵が ひしめき合って歩いていく 無遠慮なスピーカーが 頭ごなしに声を降らせる 乱反射する無表情な響きに 誰も耳を貸そうとはしない 出発を告げるメロディ 接近を知らせるチャイム 迫る気…