【詩】まどい|加澄ひろし|走る詩人

震えている、音もなく 風のせいだろうか ちがう、鳥がきたのだ 枝の先端で、ふと こちらを、みつめているだけだ 震えている、やるせなく 風のせいだろうか ちがう、鳥が去ったのだ 茂みのむこうで、じっと こちらを、みつめていただけだ 震えている、あてもなく 風のせいだろうか そうだ、鳥を追っていたのだ 森の道で…